コラムColumn

2022.09.03

コンビ目立Ⅲについて

丸源の剪定鋸の一番の特長は「コンビ目立」という特許取得の特殊目立てを採用しているということです。鋸は目立の仕方によって切れ味が変わります。職人が一丁一丁目立をして切れ味を維持していくのが理想ですが、替刃式の剪定鋸ではそこまで目立に時間とお金をかけられません。そこで、安い替刃式の剪定鋸でも切れ味が続くよう考えられたのが、丸源鋸工場独自のコンビ目立です。丸源の技術がつまったコンビ目立について詳しく説明していきます。

このコラム記事の目次
  1. 鋸が切れる要素とは
  2. アサリとは
  3. コンビ目立とは
  4. まとめ

鋸が切れる要素とは

鋸が切れるためには「3つ」の要素があります。それは、
①『鋸板の厚さが同じなら、刃が大きい方(刃数が少ない方)がよく切れる。』
②『鋸の刃が同じ大きさなら、鋸板の薄い方がよく切れる。』
③『鋸を長く持たせるために硬度を高くしなければならない。』
ということです。この3つの要素をすべて兼ね備えているものが昔からありました。それは大工さんが使う「鑿(ノミ)」です。ノミは金槌で叩くと木クズを出しながら木の中を進んでいきます。刃幅が広いノミは木を広く、刃幅が狭いノミは木を深く削ることができます。ノミがいくつも並び、しかも小さい力で進んでいくのが鋸です。

アサリとは

鋸の刃先を叩いて鋸板以上の幅にしたものを「アサリ」と言います。アサリ出し、アサリわけなどとも言います。アサリのない鋸はよく切れますが、鋸板の幅と同じ刃幅だと切り進んでいくうちに詰まって切り進めなくなってしまい、最終的には折れてしまいます。そこでアサリを出して刃幅を鋸板の幅以上にすることで隙間を作りスムーズに切り進んでいけるようにします。しかし、アサリがあると鋸板の幅が広くなる、つまり鋸板の厚い鋸になるので切れづらくなってしまいます。

コンビ目立とは

アサリがないとよく切れますが渋くなって折れてしまう、アサリがあると渋くなりませんが鋸の沈みは良くない......その問題点を解消するために考えられたのが「コンビ目立」です。コンビ目立とは、厚い鋸板の中に薄い鋸板を作り出し、さらに小さな刃で大きな刃を再現して切れ味を良くする特許取得の特殊目立のことです。 鋸は板の厚さが同じなら刃が大きい(刃数が少ない)方がザクザクと良く切れ、刃の大きさが同じなら板の薄い方が良く切れます。そして板が厚ければ折れにくく、刃が硬い方が耐久性があります。(鋸が切れるための3要素。)

combi3.jpg

丸源の鋸には1つの鋸に外アサリ・アサリなし・内アサリの3種類の刃がついています。外アサリの刃で木くずの詰まりを防止。アサリなしの刃で鋸の沈みを良くし、内アサリの刃で薄い板を作り出すとともに、より強力な推進力を生み出します。また切っていく場所が違う三種類の刃を一対ずつ交互に並べることで、一対の刃がそれぞれ大きな刃と同じ役割を果たします。大きな刃の方が切れが良いためザクザク切れますが、実際には小さな刃が多くついているので、1本の鋸で太枝から細枝まで切ることができます。丸源の鋸は、他社よりも厚い板を使用しています。他社では考えられないような極厚の板で力を入れなくてもしっかり切れるのは、このコンビ目立によるものです。
アサリのある刃(AA')とアサリのない刃(BB')は切っていく場所が違います。AA'は渋くありませんが、鋸の沈みは良くありません。 BB'は渋く動かなくなりますが鋸は良く沈んでいきます。さらにCC'を加え、板の薄い鋸を作り出すことによってより軽く切れて沈みが良くなります。

まとめ

コンビ目立によって、鋸板の厚い鋸と薄い鋸、刃が粗い鋸と細かい鋸、そして縦挽き鋸と横挽き鋸を一丁の鋸で再現し、細枝から太枝までどんな枝でも一丁で切れる。それが特許取得の特殊目立、コンビ目立を採用した丸源の鋸です。他社に真似のできない丸源の剪定鋸の切れ味をぜひ体感してください。

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